触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
 ◇

 翌日は起きてからずっと、鉛のように重い身体を持て余していた。
 泣き腫らした瞼も、まだ熱を持っていた。

 三時間目の後の休み時間。
 友達と連れ立ってトイレへ行き、教室へ戻ろうとしていた。

「あっ。今日、夏帆の好きなさつまいもパンある日じゃん」

 彼女が、壁に貼り出された購買の販売スケジュール表を指差し、無邪気に教えてくれる。

「……わ。ほんとだ」

 こうして他愛のない会話をしている間だけは、胸のつかえが幾分か紛れた。

 ふと、朝からずっと遠ざけていたスカートのポケットに手を伸ばす。
 スマートフォンを取り出し、画面をタップした。

 航からのメッセージが――届いていた。

 途端に、心臓が大きく跳ねる。

 電話に出ない私の子供じみた態度に、愛想を尽かしていないだろうか。
 恐る恐る、そのメッセージを開く。


『今日、学校終わったら会える?』


「……えっ?」

 予期せぬ内容に、思わず声が漏れる。
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