触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
「どしたの?」
不思議そうに振り返った友達に、私は目を丸くしたまま画面を向けた。
「航が『今日会える?』って……」
「えっ? どういうこと?」
日頃から話を聞いてくれている彼女も、私とまったく同じ疑問を口にする。
その言葉をなぞるように、慌てて『どういうこと?』と文字を打ち込み、送信した。
すると、すぐに既読がつき、短い返事が飛び込んでくる。
『勝手にごめん。今、東京に向かってる』
横から画面を覗き込んでいた友達が「えええっ!?」と口元を押さえてはしゃぎ出した。
「なんで? 約束してなかったのに? 急すぎない?」
興奮気味に詰め寄られ、私はやや俯く。
「実は……昨日の夜、喧嘩しちゃって……」
昨晩のやりとりを思い返しながら、ぽつりとこぼした。
「そっかあ……」
慰めるように肩を抱いてくれながら「夏帆も、喧嘩とかするんだね?」と少し驚いていた。