触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
「航くん、何時くらいに着くの?」
一番最初のメッセージの受信時間は、九時。
いつものように鈍行で来るなら、移動時間は四時間ほどだ。
「あと一時間半くらいかも……」
「行ったほうが、いいんじゃない?」
「…………」
その言葉に、小さくも力強く頷いた。
彼女はそんな私の背中を、ポン、と叩いてくれた。
「先生には、具合悪くて帰ったとか、うまい感じに言っとくから!」
「……ありがとうっ」
急いで教室に戻り、机からスクールバッグを掴み取る。
次の授業の先生が来る前に、飛び出した。