触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
「…………」
「ええっと……」
「…………」
鋭い視線に耐えきれず、とうとう白状した。
「……中学生のとき、冗談で『付き合う?』とか言われたことはあるんだけど。でも、それきり本当に何もないから!」
「……へー」
航は、平坦に返してきた。
「それに、航と付き合う前の話だからね?」
そっぽを向き、私の手を握る力をさらに強めてくる。
痛いわけではなく、ただ不満げな強さ。
航って、嫉妬すると、こうなんだ。
その姿に――申し訳なくなりながらも、くすぐったさをおぼえてしまう。