触れられなくても、君がいい。
ゆらゆらと揺れる海藻の周りに、小さな魚たちがたくさん集まっていた。
波の動きに合わせて同じ方向へ泳いでいて、可愛らしい。
「……すごいっ! いっぱいいる!」
顔をバシャッと上げて、感動を伝えた。
彼は「だろ」と、やや得意げに微笑んだ。
それから私は、航に助けてもらいながら夢中になってたくさんの魚を探した。
カラフルな熱帯魚や、三十センチくらいある大きな魚、岩の間に隠れている貝やウニも見つけることができた。
「底に見えるあれ、なんだろう?」
ふと、二メートルくらい下、砂に埋もれている緑色の欠片が目に入った。
「ああ」
それを見た航は、すうっと息を吸い込み、一瞬で深く潜っていった。
あっという間に拾い上げて戻ってくると、私の手のひらにコロンと置いてくれた。
「……っ、はい。シーグラスだよ」
「シーグラス?」
「そ。海に流された空き瓶の破片が、だんだん波で削られて角が取れて、こうなる」
「へえっ!」
瓶の破片だなんて信じられないくらい、すべすべとした柔らかい丸みを帯びていた。