触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
 ◇

 ベッドの縁に腰掛け、ワンピースのボタンを上から一つひとつ留めていく。

 すると。

「ねえ」

 航が後ろから、私の肩に自身の顎を乗せてきた。

「次会うの、いつにする?」

 首筋に触れる息。
『さっき』の余韻が残る、甘い響き。

「え、あ……二月? バレンタインの時期、とか?」

「いいね。あ、俺、あれがいい。去年くれたケーキみたいなやつ」

「ガトーショコラ?」

「そう。それ」

「うん。いいよ」

 私に寄りかかりながら話す航は、これまで見たことのない、甘えん坊な男の子のよう。
 いつもとは、立場が逆転したみたいだ。

 それが、どうしようもなく愛おしい。
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