触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。

 さっそく手につけてくれる。
 あつらえたようにぴったりなのを見て、安堵する。

「サイズ合ってて、よかった。航、冷え性だから。それで温まってね」

「…………」

「早く働いて、自分のお金で航へのプレゼント買いたいな……」

 そう呟くと、そっと抱き寄せられた。

 向かいのホームには、たくさんの人が並んでいて、なんなら数人の視線を集めてしまっている気もする。
 けれど今は、そんなことはちっとも気にならなかった。

「……毎日会えるようになりたい」

 航の願いを聞いて、涙が滲みそうになる。

「うん……」

 喉の奥から声を振り絞って、返した。

 そして、続きが紡がれる。


「いつか……夏帆の帰る場所になりたい」
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