触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
「あ、そうだ。七海ちゃんといえば、これ見て!」
夏帆は足元に置いていた紙袋を漁り、菓子箱を取り出した。
七海が好きなキャラクターの、クッキーの詰め合わせだ。
「東京限定らしくて。可愛いから、二つも買っちゃった〜」
「貢いでんな」
「だって。私たちの、可愛い姪っ子だし」
七海は、弟の洋の一人娘だ。
まだ子どものいない俺たちは、彼女をまるで自分の娘のように可愛がっている。
助手席ではしゃいでいた夏帆だったが、なおも静かなままの俺の横顔を見て、ふと口を閉じた。
そして、小さく言う。
「……ごめんね」
「え?」
「毎日、会えなくて」
「…………」
「寂しい思い……させてるよね」