触れられなくても、君がいい。
 ◇

 メンバーが全員集まると、「じゃあ、二人組で始めまーす」と悠也くんがラフな掛け声をかけた。

「航と組みたい!」

 さっきの彼女が、明るい声で真っ先に立候補する。

「いや、俺はさすがに夏帆と……」

 誘っておきながら放置するのは申し訳ないのか、航はこちらを気にしてくれている。

「ねえ、航〜」

「しつこいって」

 気心が知れているような、遠慮のないやり取り。
 なんだか居た堪れないでいると、不意に彼女と視線がぶつかった。

「……あ、やっぱりいいや!」

 そう言った彼女は、私に向かって「組まないっ?」と可愛らしく歯を見せて笑った。
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