触れられなくても、君がいい。 ――青い二人の、遠距離ロマンス。
素直なほうが可愛いよ
そして私は、十四歳の誕生日もこの海辺の街で迎えた。
まだ眠そうに目を擦る湊人を抱き上げ、朝食会場に向かう。
四歳になってずっしりと増した重みに成長を感じる。
サッカー部の朝練があると言っていた航は、会場にはいなかった。
◇
食後の休憩を取ってから、父と二人で、去年のシュノーケリングスポットへ向かった。
母と湊人は、去年と同じく「波打ち際でカニを探す」と言って別行動。
凪沙にいたっては、「日焼けした姿を彼氏に見せたくない」などとませたことを言って、エアコンの効いた部屋で留守番をしている。
今年のために新調した、落ち着いたネイビーの水着に身を包み、海面にぷかぷかと浮かんでいたとき。
「……夏帆!」
名前を呼ばれて顔を上げると、堤防に航がいた。
長くなった脚を持て余すようにしゃがみ込み、こちらを見下ろしている。