触れられなくても、君がいい。 ――青い二人の、遠距離ロマンス。
◇
「せーの。夏帆、お誕生日おめでとうー!」
両親は冷えたビールを、私は炭酸が弾けるコーラを、凪沙と湊人はオレンジジュースを掲げ、家族で乾杯した。
「夏帆ちゃん、十四歳かあ。オトナ〜」
ジュースのグラスを両手で持ちながら言う凪沙の言葉に、湊人が無邪気に頷く。
四歳下の凪沙と、十歳下の湊人。二人とも困った我儘を言うことは多いけれど、姉である私を慕ってくれている。
そんな二人が可愛くて、自分の希望よりも妹や弟を優先してしまうのだ。
「いやあ、それにしても。夏帆がここまで海を好きになるなんて驚きましたよ。このお宿が本当に素敵だからですね」
「今では夏帆が一番、ここに来るのを楽しみにしてるようですから」
両親が、コンロで海鮮を焼いてくれている航のお父さんに話しかける。
そのすぐ近くには、サポートに回っている航もいた。
「…………」
私は、こんがりと焼けた香ばしい海老を頬張りながら、身を縮めて黙り込んだ。
「せーの。夏帆、お誕生日おめでとうー!」
両親は冷えたビールを、私は炭酸が弾けるコーラを、凪沙と湊人はオレンジジュースを掲げ、家族で乾杯した。
「夏帆ちゃん、十四歳かあ。オトナ〜」
ジュースのグラスを両手で持ちながら言う凪沙の言葉に、湊人が無邪気に頷く。
四歳下の凪沙と、十歳下の湊人。二人とも困った我儘を言うことは多いけれど、姉である私を慕ってくれている。
そんな二人が可愛くて、自分の希望よりも妹や弟を優先してしまうのだ。
「いやあ、それにしても。夏帆がここまで海を好きになるなんて驚きましたよ。このお宿が本当に素敵だからですね」
「今では夏帆が一番、ここに来るのを楽しみにしてるようですから」
両親が、コンロで海鮮を焼いてくれている航のお父さんに話しかける。
そのすぐ近くには、サポートに回っている航もいた。
「…………」
私は、こんがりと焼けた香ばしい海老を頬張りながら、身を縮めて黙り込んだ。