初めて聞いた音
第2話「暁寮での出会い」

校門を出ると、春の風が心地よく吹き抜けた。

「それにしても、寮生活かぁ!」

悠は両手を頭の後ろで組みながら、大きく伸びをする。

「なんかワクワクするな!」

「お前は緊張ってもんがないのか。」

蓮が呆れたように笑う。

黒髪を短く整えた蓮は、高い身長もあって人混みの中でもひときわ目を引く。

「あるで? でも楽しみの方が大きい!」

二人のやり取りを見て、思わず笑みがこぼれた。

私は静かに学校を振り返る。

あの人も、この学校のどこかにいるんだろうか。

そんなことを考えていると、

「鈴。」

蓮の声に我に返る。

「もう少し歩けば着くぞ。」

顔を上げると、大きな建物が見えてきた。

入口には『暁寮』と書かれた木の看板。

ここが、今日から私たちが暮らす場所。

期待と少しの不安を胸に、私はゆっくりとその門をくぐった。

玄関の外には木製のベンチが置かれていた。

そこに腰掛けていたのは、腰エプロン姿の中年の女性。

明るい金髪を高い位置でポニーテールに結び、少し鋭い目元が印象的だった。

片手は腰エプロンのポケットに突っ込み、もう片方には吸いかけのタバコ。

私たちに気付くと、ゆっくりと立ち上がり、タバコを灰皿に押し付けて火を消す。

そして、口元を少しだけ緩めた。

「お、来たか。1年坊!」

「私はこの暁寮の寮母、佳代だ。ま、みんなからは佳代さんって呼ばれてる。」

「今日からあんたらの面倒を見ることになる。遠慮なんかしなくていい。腹減ったら飯食え、困ったら頼れ。それが寮ってもんだからね。」

「よろしくお願いします。」

鈴と悠はそろって頭を下げた。

佳代さんは鈴の頭を優しくぽんと撫でると、悠の頭は遠慮なくわしゃわしゃとかき回した。

「よろしくな、1年坊!」

すると悠が一歩前に出て、

「佳代さん! 今日の晩ご飯なんですか?」

そう目を輝かせながら聞いた。

「は?」

佳代さんは思わず吹き出す。

「まだ自己紹介したばっかだぞ?」

「いやぁ、お腹空いてるんで!」

「こりゃ食いしん坊が来たな。」

「褒め言葉として受け取っときます!」

「褒めてねぇよ。」

佳代さんが笑いながら悠の頭を軽く小突く。

そのやり取りに、蓮は呆れたようにため息をついた。

「……もう仲良くなってる。」

「ええ人そうやん!」

「お前のそのコミュ力、少し鈴に分けてやれ。」

「それは無理!」

「即答かよ。」

思わず鈴も小さく笑った。

さっきまで感じていた緊張が、少しだけほどけていく。

そんなことを思いながら、私は佳代さんの後について寮の中へ足を踏み入れた。

「よし!とりあえずこの寮のルールを教える」

佳代さんはそう言いながら振り向き手をポッケから手を出した

「そんな難しいことはねぇ。ちゃんと守れば快適に暮らせる。」

そう言って人差し指を一本立てる。

「一つ。門限は夜十時。遅くなる時は必ず連絡。」

「二つ。朝飯と晩飯は食堂で食べること。食えない時も一言伝えな。」

「三つ。当番はサボるな。共同生活なんだから、お互い様だ。」

「四つ。洗濯は各自。洗濯機は譲り合え。」

そこで佳代さんは少し真面目な表情になる。

「五つ。他人の部屋には無断で入るな。」

「入る時はちゃんとノック。返事を待ってから入ること。」

「人の部屋はその人の居場所だ。勝手に踏み込むんじゃない。」

悠が手を挙げる。

「蓮にぃの部屋も?」

「当たり前だ。」

「えぇー。」

「何が『えぇー』だ。」

佳代さんは笑いながら悠の額を軽く小突いた。

「六つ。消灯は夜十一時。騒ぐならほどほどにな。」

「七つ。困ったことがあったら、一人で抱え込むな。」

その一言だけは、さっきまでの冗談交じりの口調とは違っていた。

「ここは寮だけど、あたしは家だと思ってる。」

「だから、何かあったら遠慮なく頼れ。」

その言葉を聞いた瞬間、張りつめていた緊張の糸が、ふっと切れた。

佳代さんの話が終わると、蓮が口を開いた。

「二人の荷物、昨日届いたからもう部屋にあるよ。」

「え?」

「寮のみんなが部屋まで運んでくれたんだ。」

「毎年、新入生が来るたびにやってるらしい。」

「だから今日は荷物の心配はしなくて大丈夫。」

「そうだったんだ……。」

思っていた以上に温かく迎えられていることが嬉しくて、自然と笑みがこぼれた。

「よし、それじゃ部屋を案内するよ。」

蓮が歩き出す。

私と悠は顔を見合わせ、小さくうなずくと、その後を追いかけた。

階段を上がると、二階には静かな廊下がまっすぐ続いていた。

「ここがみんなの部屋。」

蓮は廊下の奥を指差しながら説明する。

「右が湊、俺、莉央。」

「左が信、鈴、悠。」

「へぇー!」

悠は興味津々に廊下を見渡す。

「隣同士なんだね。」

「何かあったらすぐ呼べるようにな。」

そう言って蓮は一枚の扉の前で足を止めた。

「ここが鈴の部屋。」

向かいを指差す。

「俺は向かいだから、困ったことがあったらいつでも来い。」

「……うん。」

蓮は隣の部屋へ視線を向ける。

「その隣が悠。」

「やった!すーの隣や!」

「うるさい。」

思わず笑ってしまう。

「とりあえず荷解きしとけ。」

「夕飯ができたら佳代さんが呼びに来るから。」

そう言い残し、蓮は自分の部屋へ入っていった。

私は部屋のドアをゆっくり開ける。

窓から差し込む春の日差しが、部屋の中を優しく照らしていた。

「……今日から、ここが私の部屋。」

荷物を一つずつ片付けているうちに、あっという間に時間は過ぎていった。

気づけば、窓の外は夕焼け色に染まり、やがて辺りは暗くなっていた。

「お前らー! 飯の時間だよ!」

一階から佳代さんの大きな声が響く。

「もうそんな時間なんだ……。」

そう呟いたその時だった。

コンコン。

部屋のドアを叩く音が聞こえる。

「鈴、飯だ。」

蓮の声だった。

「うん、今行く。」

私はドアを開ける。

すると、隣の部屋からもちょうど悠が出てきた。

「めっちゃお腹すいたー!」

「さっきまで荷物片付けてた?」

蓮が尋ねる。

「うん。」

「そっか。じゃあ行こう。」

私たちは部屋の鍵を閉め、蓮の後について階段を下りた。

一階へ降りると、廊下の奥から美味しそうな料理の香りが漂ってくる。

「いい匂い……。」

思わずそう呟くと、悠がお腹を押さえながら笑った。

「もう限界や〜!」

その言葉に思わず笑みがこぼれる。

蓮は食堂の前で立ち止まり、ゆっくりと扉を開けた。

「ここがみんなでご飯を囲む食堂な。」

「おぉー!」

悠が目を輝かせながら中を覗き込む。

私もその後ろからそっと顔を覗かせる。

テーブルいっぱいに並べられた料理から、温かな湯気が立ちのぼっていた。

揚げたての唐揚げに、ハンバーグ、エビフライ、色鮮やかなサラダ。

どれも美味しそうで、思わず見入ってしまう。

「今日は二人の歓迎会も兼ねてるからね。」

腰エプロン姿の佳代さんが笑いながら声を掛けた。

「遠慮しないで、たくさん食べな。」

「ありがとうございます!」

悠が勢いよく頭を下げる。

「ほら、好きな席に座りな。」

佳代さんがそう言うと、悠は迷うことなく私の隣の椅子を引いた。

「すー!ここ!」

私は悠に言われるがまま、その席に座った。

向かいには蓮が座る。

その隣には、優しそうな笑顔を浮かべた男性と、落ち着いた雰囲気の女性が腰を下ろした。

男性は背が高く、暗い茶色の髪を自然に分けている。

女性は明るい茶色の髪を高い位置でポニーテールに結び、柔らかな笑顔を浮かべていた。

二人と目が合う。

私は慌てて小さく頭を下げると、二人は優しく微笑み返してくれた。

佳代さんはテーブルを見渡し、小さく息をつく。

「……信のやつ、今日も来ないか。」

「まぁ、いつものことですよ。」

女性が苦笑いを浮かべながら答えた。

「そのうち腹減ったら降りてくるだろ。」

今度は男性が穏やかに口を開く。

「そうだといいけどねぇ。」

佳代さんはそう言うと、私たちへ向き直り、ぱんっと一度手を叩いた。

「よし!歓迎会を始める前に、まずは自己紹介からにしようか。」

佳代さんがそう言うと、みんなが頷いた。

「そうしたら、三年生からでいいかい?」

「じゃあ、俺から。」

向かいに座っていた男性がゆっくりと立ち上がる。

立ち上がると、その背の高さがより際立つ。

「三年の神谷湊です。弓道部に入ってて。一応、副寮長だから、困ったことがあったら気軽に相談して。」

穏やかな笑みを浮かべながら軽く頭を下げる。

「よろしくお願いします。」

私と悠も慌てて頭を下げた。

「次は俺だな。」

蓮が席を立つ。

「三年の黒川蓮。バスケ部だ。知ってると思うけど、鈴の兄で、この暁寮の寮長をやってる。改めてよろしく。」

「よろしくお願いします!」

悠が元気よく返事をすると、蓮は少し照れくさそうに笑った。

「次は私ですね。」

明るい茶色のポニーテールを揺らしながら、女性が立ち上がる。

「二年の朝倉莉央です。バスケ部でマネージャーをしています。何か困ったことがあったら、いつでも声をかけてね。」

優しく微笑む莉央さんに、私は小さく頭を下げた。

「よろしくお願いします。」

佳代さんは一つだけ空いた席へ目を向け、小さく息をついた。

「二年生はもう一人いるんだけどね。」

「神崎信って子なんだけど、今日は来てないみたいだね。」

「まぁ、そのうち会えるさ。」

湊さんが穏やかに笑う。

「そうだね。」

佳代さんも笑って頷くと、私たちへ視線を向けた。

「じゃあ、次は一年生だね。」

「はい!」

少し明るい茶色の髪を揺らしながら、悠が勢いよく立ち上がる。

「一年の藤原悠です!スポーツ推薦で入学しました!バスケ部に入る予定です!皆さん、よろしくお願いします!」

「元気がいいねぇ。」

「最後は鈴だね。」

みんなの視線が一斉に私へ向く。

肩まで伸びた黒髪をそっと耳にかけ、私はゆっくりと立ち上がった。

「一年の黒川鈴です。」

「部活はまだ決めていません。でも、やりたいことはあります。」

「これからよろしくお願いします。」

そう言って頭を下げる。

「よろしく。」

「よろしくね。」

優しい声が返ってきた。

「……へぇ。」

その声に顔を上げると、蓮が少し驚いたような表情で私を見ていた。

「鈴がそんなこと言うなんて珍しいな。」

「え?」

「やりたいことがあるなんて、初めて聞いた。」

思わず蓮を見つめ返す。

「……そう、かな。」

佳代さんは優しく微笑んだ。

「やりたいことがあるなら、それが一番だよ。」

「焦らなくても大丈夫。」

湊さんも穏やかな笑みを浮かべる。

「この寮にいる間に、思いっきりやってみな。」

その言葉に、胸の奥が少しだけ温かくなった。

「……はい。」

私は小さく頷いた。

「よし!それじゃあ冷める前に食べようか。」

佳代さんの一声で、みんなが箸を手に取る。

「「いただきます。」」

「いただきまーす!」

悠は真っ先に唐揚げを口へ運んだ。

「うまっ!」

目を輝かせながら頬張る悠を見て、食堂には自然と笑い声が広がる。

「そんなに慌てなくても誰も取らないよ。」

佳代さんが呆れたように笑う。

「だって、めっちゃうまそうやったんやもん!」

「佳代さんの唐揚げは絶品だからな。」

蓮がそう言うと、湊さんも静かに頷いた。

「食べてみ。」

勧められ、私も一つ口に運ぶ。

「……おいしい。」

外はサクッとしていて、中は驚くほど柔らかい。

思わずもう一口食べようとした、その時だった。

体が少しだけ熱い気がした。

(……気のせいかな。)

私は気にしないように水を一口飲む。

「佳代さん!これおかわりありますか!」

「あるある。いっぱいあるよ。」

悠は嬉しそうに立ち上がり、おかわりを取りに行った。

戻ってきた悠は笑いながら席に座る。

「やっぱ最高やな!」

そう言って私の方を向いた悠の表情が、ふと変わった。

「……すー?」

「え?」

「大丈夫か?」

私は首を傾げる。

「なんか、顔赤ない?」

思わず自分の頬に触れた。

「そう……かな。」

「うーん。」

悠は少しだけ心配そうに私を見つめていた。

「鈴。」

蓮が席を立ち、私の隣までやって来る。

「え?」

何をするのかと思った次の瞬間、蓮は私のおでこにそっと手を当てた。

「……お兄ちゃん?」

「やっぱり熱あるな。」

蓮は小さく眉をひそめる。

「え……。」

言われて初めて自分のおでこに手を当てる。

確かに、少し熱い気がした。

「環境が変わると熱出す癖、まだ治ってなかったか。」

蓮はどこか呆れたように笑った。

「今日はもう部屋に戻って休め。」

私は食卓を見渡す。

みんなの笑い声。

温かい料理。

こんな賑やかな食卓を囲むのは、久しぶりだった。

「でも……。」

私は蓮を見上げる。

「今、すごく楽しいから……もう少しだけここにいてもいい?」

その言葉に、蓮は少し驚いたような表情を浮かべた。

やがてふっと笑うと、私の頭を優しくぽんぽんと叩く。

「……分かった。」

「でも、無理だけはするな。」

「しんどくなったら、すぐ部屋に戻ること。」

「……うん。」

私は小さく頷いた。

「ほら、せっかくの歓迎会なんだ。」

佳代さんがにっこり笑う。

「冷める前に食べちまいな。」

「はい。」

私は小さく返事をすると、もう一度箸を手に取った。

「佳代さん、このハンバーグもめっちゃうまい!」

「そりゃ良かった。」

「もう毎日これ食べたいわ!」

「贅沢言うんじゃないよ。」

佳代さんが笑いながら悠の頭を軽く小突く。

「いてっ!」

「ははっ。」

湊先輩が思わず笑い、莉央先輩も口元を押さえながら微笑んだ。

その笑いにつられて、私も自然と笑みがこぼれる。

(……楽しい。)

誰かと一緒に笑って、ご飯を食べる。

そんな当たり前の時間が、こんなにも温かいなんて知らなかった。

食事はそのまま和やかに続き、話題は学校のことや寮での生活のことへと変わっていく。

悠は「明日には学校探検したい!」と目を輝かせ、佳代さんは「まずは迷子にならないことだね」と笑っていた。

そんな会話を聞きながら相槌を打っていたけれど、少しずつ瞼が重くなっていく。

頭がぼんやりして、体にも力が入らない。

箸を置こうとした、その時。

かちゃり。

箸が指から滑り落ち、小さな音を立てた。

「すー?」

悠は真っ先に言ってきた。

「もう無理せん方がええって。」

蓮も静かに立ち上がり、私の肩にそっと手を添えた。

「約束しただろ。」

「しんどくなったら部屋に戻るって。」

「……うん。」

私は小さく頷く。

さっき「もう少しだけ」とお願いした時間は、それだけで十分だった。

「佳代さん。」

蓮が視線を向ける。

「鈴、部屋に連れてく。」

「ああ、お願い。」

佳代さんは優しく頷いた。

「今日はゆっくり休みな。また明日、元気な顔を見せておくれ。」

「はい……。」

椅子から立ち上がると、少しだけ足元がふらつく。

その瞬間だった。

「ほな俺も一緒に行く!」

悠が勢いよく立ち上がる。

「悠。」

蓮が名前を呼ぶ。

「俺がついてる。」

「でも、すー心配やし……。」

「大丈夫。」

蓮は穏やかに言う。

「今日は俺に任せろ。」

悠は少しだけ唇を尖らせたあと、諦めたように息をついた。

「……分かった。」

そして私に向かって笑う。

「おやすみ、すー。明日は元気になっとるとええな。」

「……うん。おやすみ。」

私は小さく手を振り返し、蓮と一緒に食堂を後にした。

食堂を出ると、さっきまでの賑やかな声が少し遠くなった。

静かな廊下を、蓮と並んで歩く。

階段の前まで来たところで、蓮が私に手を差し出した。

「ほら。」

「……え?」

「階段、危ないから。」

少し照れくさかったけれど、その手をそっと握る。

昔から変わらない、大きくて温かい手。

「ゆっくりでいい。」

蓮の歩幅に合わせ、一段ずつ階段を上っていく。

熱のせいか、足元が少しふらつく。

それでも手を繋いでいるだけで、不思議と安心できた。

部屋の前まで来ると、蓮は静かに手を離した。

「鍵。」

「あ……。」

慌ててポケットから鍵を取り出し、扉を開ける。

「今日は風呂はやめとけ。」

「うん。」

「熱測って、薬飲んで寝ろ。」

「……分かった。」

蓮は少しだけ私を見つめると、小さく笑った。

「前のお前だったら、何も言わずに部屋に戻ってたろ。」

「え……?」

「熱があっても『大丈夫』って言って、一人で我慢して。」

私は少しだけ目を伏せる。

「でも今日は違った。」

「……。」

「『もう少しここにいたい』なんて、お前が自分の気持ちを言うなんてな。」

思わず頬が熱くなる。

「……そんなに変だった?」

「いや。」

蓮は優しく笑った。

「ちゃんと楽しめてるみたいで安心した。」

その一言に、胸が少しだけ温かくなる。

「……ありがとう。」

「礼を言うことじゃない。」

蓮は照れくさそうに頭をかくと、部屋を出ようと振り返った。

「あ、お兄ちゃん。」

「ん?」

「今日は……ありがとう。」

蓮は振り返り、ふっと優しく笑う。

「おやすみ、鈴。」

「おやすみ。」

扉が静かに閉まる。

私は制服から部屋着に着替え、体温計を取り出した。

ピピッ。

表示された数字を見て、小さく息をのむ。

38.7℃

「……やっぱり。」

ベッドへ倒れ込むと、体が布団へ沈み込んでいく。

今日一日で、たくさんの人と出会った。

佳代さん。

湊先輩。

莉央先輩。

悠。

そして、お兄ちゃん。

寮のみんなは、初めて会ったはずなのに、どこか家族みたいに温かかった。

(明日は……学校、行けるかな。)

ぼんやりとそんなことを考えながら、私はゆっくりと目を閉じた。
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