離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
それから数週間後。
吉祥文様の着物に身を包んだ遥は老舗料亭で真裕と顔を合わせていた。
地元に強固な支持基盤を持つ政治家一族である清白家の一人娘と、地域最大の総合病院を経営する冬月家の長男。二家を結びつける目的の見合いは、本人たちの意向など関係なく、顔合わせの時点でもう結婚が本決まりしているようなレベルの政略的なものだ。
形だけは格式を重んじて設けられた見合いの席で、父たちは主役そっちのけで会話に花を咲かせていた。遥と真裕はすでに顔見知りだったから、親交をあらためて深めるまでもないと判断されたのだろう。
遥はそんな父に内心で白い目を向けつつ、懐石料理を味わいながら、和やかに交わされる話にただ黙って耳を傾けていた。
お造りの刺し身に箸を伸ばしながら、ちらり、と向かいに目をやると、そこには涼やかに整った相貌と意志の強そうな眉が印象的な青年――真裕が座っている。
吉祥文様の着物に身を包んだ遥は老舗料亭で真裕と顔を合わせていた。
地元に強固な支持基盤を持つ政治家一族である清白家の一人娘と、地域最大の総合病院を経営する冬月家の長男。二家を結びつける目的の見合いは、本人たちの意向など関係なく、顔合わせの時点でもう結婚が本決まりしているようなレベルの政略的なものだ。
形だけは格式を重んじて設けられた見合いの席で、父たちは主役そっちのけで会話に花を咲かせていた。遥と真裕はすでに顔見知りだったから、親交をあらためて深めるまでもないと判断されたのだろう。
遥はそんな父に内心で白い目を向けつつ、懐石料理を味わいながら、和やかに交わされる話にただ黙って耳を傾けていた。
お造りの刺し身に箸を伸ばしながら、ちらり、と向かいに目をやると、そこには涼やかに整った相貌と意志の強そうな眉が印象的な青年――真裕が座っている。