離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
そんなふうに胸に淡い期待をいだいて、遥は地元の食材をふんだんに使った料理を口に運び続けた。
「お腹も膨れたことだし、少し二人で庭でも散歩してきたらどうだ? 二人とも全然話せていなかっただろう」
食事を終えたところで、そんなふうに言い出したのは、真裕の父の政彦だった。どうやら彼は、遥の父に調子を合わせつつも、見合いの当事者を差し置いて自分たちばかりが話を弾ませてしまったことを内心では気にしていたらしい。
それは遥にとって嬉しい提案だったが、真裕にとってはどうか分からない。そう思って彼の反応を窺おうとしたのだが、真裕は即座に「そうさせていただきます」と応じた。
「行こう」
こちらに短く声をかけて彼は庭園に足を向ける。
「……行ってまいります」
遥も素早く父たちに頭を下げて、あとを追う。そうしながらも、胸には喜びを覚えていた。
もしかしたら真裕も、これから夫婦になる男女として、遥とゆっくり仲を深める時間を欲していたのかもしれない、と思ったから。
しかし、手入れの行き届いた日本庭園の小道を二人で歩きはじめてまもなく遥は困惑する。
「お腹も膨れたことだし、少し二人で庭でも散歩してきたらどうだ? 二人とも全然話せていなかっただろう」
食事を終えたところで、そんなふうに言い出したのは、真裕の父の政彦だった。どうやら彼は、遥の父に調子を合わせつつも、見合いの当事者を差し置いて自分たちばかりが話を弾ませてしまったことを内心では気にしていたらしい。
それは遥にとって嬉しい提案だったが、真裕にとってはどうか分からない。そう思って彼の反応を窺おうとしたのだが、真裕は即座に「そうさせていただきます」と応じた。
「行こう」
こちらに短く声をかけて彼は庭園に足を向ける。
「……行ってまいります」
遥も素早く父たちに頭を下げて、あとを追う。そうしながらも、胸には喜びを覚えていた。
もしかしたら真裕も、これから夫婦になる男女として、遥とゆっくり仲を深める時間を欲していたのかもしれない、と思ったから。
しかし、手入れの行き届いた日本庭園の小道を二人で歩きはじめてまもなく遥は困惑する。