離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
加えて、心に引っかかるのは、真裕は離婚を望んでいるという事実だ。彼が結婚生活を三年で切り上げたいと思うほどに遥という妻が邪魔な存在なのだとしたら、己の我を通してまで婚姻を維持することに意味などないようにも感じてしまう。
しばらく悩んだ末に、遥は首を横に振った。
「……困ることは、ありません。真裕さんが院長にならないのなら、婚姻を維持する必要はないと父は判断するでしょう」
遥が家のことだけを淡々と口にすると、真裕は口角を上げてみせた。
「なら、離婚することになんの問題もないわけだな」
「……そうですね」
同意しつつ、遥は感情を隠そうとするように顔を俯ける。
そのまま下を向いて押し黙っていると、なにやらため息をついたらしい音が耳に届いた。
――なにか気に障ることでもしてしまった?
遥が訝しんで顔を上げると、予想外に優しい声で語りかけられる。
「家の取り決めに背くことになるから、君が躊躇する気持ちは分かるが――」
どうやら真裕は、遥がまだ心を決めきれずにいると思ったらしい。
しばらく悩んだ末に、遥は首を横に振った。
「……困ることは、ありません。真裕さんが院長にならないのなら、婚姻を維持する必要はないと父は判断するでしょう」
遥が家のことだけを淡々と口にすると、真裕は口角を上げてみせた。
「なら、離婚することになんの問題もないわけだな」
「……そうですね」
同意しつつ、遥は感情を隠そうとするように顔を俯ける。
そのまま下を向いて押し黙っていると、なにやらため息をついたらしい音が耳に届いた。
――なにか気に障ることでもしてしまった?
遥が訝しんで顔を上げると、予想外に優しい声で語りかけられる。
「家の取り決めに背くことになるから、君が躊躇する気持ちは分かるが――」
どうやら真裕は、遥がまだ心を決めきれずにいると思ったらしい。