離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
そうして二人は一年近くの婚約期間を経て結婚式の日を迎えた。
それまでの間、遥は真裕と仲を深めようと努力したが、成果は全くといっていいほど上がらなかった。
そもそも真裕は多忙な外科医だ。しかも専攻医という医師としてのキャリア形成の中で重要な時期にあったので、雀の涙のようなプライベートの時間は結婚の準備だけに消えてしまった。
そのため、完全オーダーメイドのウェディングドレスを身にまとい、父の腕をとってバージンロードを歩む遥は、内心でやや意気消沈していた。
――真裕さんにとってはこの式も、形式的にこなすべき義務に過ぎないのかしら……
そんな寂しい気持ちすら胸にいだいていたのだが、そこで一つの予想外が起こる。
それは式が終盤に差しかかったときのことだった。
神父の進行に従ってさまざまな儀礼を終えると、いよいよ宣誓のときがやってくる。
「病めるときも健やかなるときも互いを愛し、慈しむことを誓いますか?」
神父の問いかけにそれぞれが「誓います」と答え、誓いのキスを促される。