離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
 そんなことを言いつつ、こらえきれずに肩を震わせつづけている。遥はそれを、恥ずかしがればいいのか喜べばいいのか分からない複雑な心境で見守った。

「そんなに警戒しなくても、いきなりとって食ったりしないから、安心してくれ。――それとも、期待してくれてるとこすまない、って言ったほうがいいか?」
「……っ、期待、なんて……っ」

 しばらくお腹を抱えていた真裕にそんなふうにからかわれ、遥は焦って応じたものの、彼の砕けたもの言いが意外でたまらなかった。

 ――契約結婚を提案してくるほどだから、てっきり仮面夫婦のような冷えきった関係を求められると思っていたのに……

 真裕は冗談めいた空気を引っ込めると、こちらに歩み寄り、遥と目線を合わせて言った。

「期限付きではあるが……これから三年間、よろしく頼む。短くはあっても夫婦になった以上、君が快適に過ごせるよう、良い夫であるように努めるつもりだ」

 やはり契約結婚という前提はつくものの、過去の突き放すような態度と比べれば十分に歩み寄ろうとしてくれていると思える発言に遥は感動すら覚えた。

「はい……よろしくお願いします」


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