離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
『そう。いつも真裕が一人で来るだけで、あなたは今まで一度も顔を出してくれていないでしょう? 今度こそは必ず来てちょうだい』

 そこで初めて遥は、冬月家で定期的に食事会が行われていることを知った。

 知らぬ間にとんでもない不義理をしてしまっていた――そのことに気づいた遥は胸の内で青くなりながら丁寧に謝罪し、今回は必ず出席することを伝えた。

 しかし電話を切ったあとで、今度の食事会には出ると真裕に告げたところ、猛反対されてしまう。結局、話し合いというよりは、遥の一方的な宣言によって二人で行くということで落ち着いたものの、おそらく彼は今も納得していない。だから、こんな瀬戸際になっても渋っている。

「私をここに置いて一人で行っても無駄ですからね。ここから本邸はそう遠くはないですし、歩いてでも行きます」

 車のキーは彼が持っているから、先回りしてそう釘を刺せば、真裕はようやく観念したらしい。不承不承という足取りで車に近づき、運転席に乗り込んでエンジンをかけた。
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