離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
遥は一度言葉を切ると、胸に手を当てて気持ちを落ち着けるように息をつく。それからあらためて口を開いた。
「父さんに呼ばれて、話をしてきたの。私の結婚相手が決まったって――」
「誰だった!?」
食い気味に尋ねられて遥は目を瞬く。
「どこぞの色欲じいさんとかじゃないだろうな? 叔父さん、遥の気持ちなんかちっとも考えてないから――」
「大丈夫」
遥はやや強い口調で遮った。ここは清白本家の屋敷だから、誠志郎への非難は誰が聞いているか分からない。
「いやな相手ではなかったから」
と、そこまでは言えたものの、あとを継ぐ言葉に困ってしまう。どう伝えていいものか、自分でも頭が整理できていないのだ。
理人はそんな遥の戸惑いに気付かずに、はぁーっと安堵したように息を吐く。
「なら、よかったけどさ。で、誰なんだよ、相手って」
「それが、その……」
言いよどむ様子になにかを察したのか、理人の眉が寄った。
「まさか、知り合いなのか?」
遥はしばし逡巡したのちに、神妙に頷く。そして、自分自身もまだ受け止めきれていないその名をそうっと唇に載せた。
「……真裕さん……だったの……」
「父さんに呼ばれて、話をしてきたの。私の結婚相手が決まったって――」
「誰だった!?」
食い気味に尋ねられて遥は目を瞬く。
「どこぞの色欲じいさんとかじゃないだろうな? 叔父さん、遥の気持ちなんかちっとも考えてないから――」
「大丈夫」
遥はやや強い口調で遮った。ここは清白本家の屋敷だから、誠志郎への非難は誰が聞いているか分からない。
「いやな相手ではなかったから」
と、そこまでは言えたものの、あとを継ぐ言葉に困ってしまう。どう伝えていいものか、自分でも頭が整理できていないのだ。
理人はそんな遥の戸惑いに気付かずに、はぁーっと安堵したように息を吐く。
「なら、よかったけどさ。で、誰なんだよ、相手って」
「それが、その……」
言いよどむ様子になにかを察したのか、理人の眉が寄った。
「まさか、知り合いなのか?」
遥はしばし逡巡したのちに、神妙に頷く。そして、自分自身もまだ受け止めきれていないその名をそうっと唇に載せた。
「……真裕さん……だったの……」