離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
ようやく半分ほどまで課題を進め、見直していたところで、部屋のドアが叩かれた。
机から顔を上げた遥は、誰が来たのかを認識して息を詰めた。「ちょっといいか」と言って入室してきたのは、高等部の生徒会長を務める真裕だったのだ。
中等部の生徒会長のところへ真っ直ぐ歩いていく彼は、こちらには一瞥もくれない。けれど、遥は己の存在をできるだけ消そうとするみたいに顔を伏せた。
しばらくして用事が済んだらしい真裕は踵を返し、部屋を出ていこうとする。それを視界のはしで捉えた遥は、ホッと安堵の息をついた。
そこで中等部の生徒会長が冗談めいた口調で言った。
「冬月先輩、清白に勉強を教えてやってくださいよ。数学で赤点とって、課題をやってるんです」
真裕は全国でもトップレベルの優秀さで有名だったので、それを踏まえた発言だったのだろうが、彼に嫌われていることをはっきり自覚している遥は息が止まりそうだった。
固唾を呑んで真裕の反応を窺っていると、彼は遥が机に広げているプリントとノートをしばし眺め、「時間の無駄だろ」とひと言告げて部屋を出ていった。
机から顔を上げた遥は、誰が来たのかを認識して息を詰めた。「ちょっといいか」と言って入室してきたのは、高等部の生徒会長を務める真裕だったのだ。
中等部の生徒会長のところへ真っ直ぐ歩いていく彼は、こちらには一瞥もくれない。けれど、遥は己の存在をできるだけ消そうとするみたいに顔を伏せた。
しばらくして用事が済んだらしい真裕は踵を返し、部屋を出ていこうとする。それを視界のはしで捉えた遥は、ホッと安堵の息をついた。
そこで中等部の生徒会長が冗談めいた口調で言った。
「冬月先輩、清白に勉強を教えてやってくださいよ。数学で赤点とって、課題をやってるんです」
真裕は全国でもトップレベルの優秀さで有名だったので、それを踏まえた発言だったのだろうが、彼に嫌われていることをはっきり自覚している遥は息が止まりそうだった。
固唾を呑んで真裕の反応を窺っていると、彼は遥が机に広げているプリントとノートをしばし眺め、「時間の無駄だろ」とひと言告げて部屋を出ていった。