離婚届を渡された契約妻ですが、罪を抱えたエリート外科医の愛が重すぎます
 その後、真裕に駅まで送り届けてもらった遥は、そこで理人と合流し、彼にタクシーで自宅まで送ってもらうことになった。

 遥といる間、真裕は始終不機嫌そうなしかめっ面をしていたが、それでも理人がやってくるまでずっと遥についていてくれた。

 遠くから聞こえる花火の音が全身を震わせるほどに強く響く。

 なにもない夜空を見上げる真裕の横顔は、幼い頃の面影を残しつつも確実に大人の男性へと成長していて、そんな変化にあらためて気づいた遥はなにも言えずにただ彼の隣に立ち尽くした。

 どくんどくんと、胸の鼓動が激しく打ちつける。
 それは花火の音など比べものにならないほどの大きさで遥の中にいつまでも余韻を残した。
< 84 / 97 >

この作品をシェア

pagetop