眠れない夜は愛しい雛を抱いて
「日本酒とお菓子の相性って悪くないと思ったけど、企画となると難しいなぁ」

「相変わらず仕事熱心だ」

「怒った?」

「全然、お猪口片手に企画を練る雛子も可愛いよ」

「もう……っ」

そう言いつつ、雛子は豪快にグイッと酒を嗜みながら、小首を傾げ仕事のことを考えている。

(まもなく日付が変わるな)

金曜日の夜とは家、日本酒の瓶はもう半分以上空いてしまっている。

雛子は先程まで、あれこれも考えを巡らせているような表情をしていたのに、今は珍しくほんのり頬を染めており、瞼もやや重たそうだ。


「……ねぇ、鷹哉さん」

「どうした?」

雛子はガラステーブルに両腕を預けると、顔だけこちらに向ける。

(眠そうだな)

やや呑みすぎたようだ。俺はおかわりできないように、雛子の手からさりげなくお猪口を取ると、自分の手元に置いた。


「……なんか、すごく幸せだなぁって」

「俺も幸せだよ」

「うん……」

雛子がにこりと目を細めると、こちらに手を伸ばす。  

抱き止めるように雛子を包み込めば、彼女が俺の背中に手をまわした。

「──そろそろベッドにいくか?」
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