監禁された私には、時空の監視者の愛情は伝わらない
真っ白な世界に、鮮血が滲んでいる。白一面のこの部屋に別の色が入ると、赤色はより鮮明になる。
そんなどうでも良いことを考えていないと、私は今すぐ発狂しそうになる。なぜなら、私は今、バルドゥールに抱かれているから。傷の手当てすらされずに。
手と頬と、それから体の中心に痛みを受け、涙が滲む。
無防備に広げられた掌に、一直線に引かれた赤い線。その線から彼が突き上げるたびに、鮮血が滲みだしてくる。
ああ、いっそこのまま、全部流れてしまえばいいのに……。
「この程度の傷では死なない」
私の思考を読んだかのように荒々しく腰を掴みながら、バルドゥールは残酷な言葉を吐く。
「お前は、俺を受け入れることだけを考えろ。他のことなど余計なことだ」
それは命令でしかなかった。私の返事など待つつもりもなく、彼は更に激しく腰を打ち付ける。今日もまた服を着たままで。
心臓が掌に移動したかのように、そこだけがドクンドクンと脈打つ。痛みを感じるのは生きている証。死ねなかった証でもある。
ぼんやりとシーツに付いた自分の血痕を見つめていたら、突然彼の動きが止まった。私の中に欲望を吐き出した訳でもないのに。
ああ、さすがに醜く頬を腫らした女を抱くのは萎えるのか。
自分勝手にも程がある。けれど、苦痛の時間が終わるのが嬉しい。
けれど、違った。バルドゥールは体位を変えただけだった。私を起き上がらせ、正面から抱きかかえる。
再び動き出したバルドゥールの顔が間近に迫る。密着した身体から、服越しに彼の熱が伝わり、私を犯しているこの男が血の通った生き物だということを、認識させられる。
彼の膝の上で突き上げられる感覚は、今まで以上に深く、私の中を侵していく。
自分の中の終点がここなのかと分かるくらい激しく深く突かれて、今までに無い感覚に襲われ、思わず息が漏れる。
それを見つめるバルドゥールは、満足げに目を細めている。
また一つ彼の歪んた欲求を満たしてしまった。そのことが悔しくて、血塗れの手で、彼を押しのけようとすれば、反対に手首を掴まれてしまった。そして掴まれた瞬間、血管が圧迫され傷口からどろりと鮮血が溢れ出す。
「痛……っ!」
掌の傷から滴り落ちた私の血を、バルドゥールは舌を伸ばして舐め上げる。ぬるりとした感触が気持ち悪い。
「甘い」
そう言って微笑む彼の唇には、少しだけ私の血が付いていた。
朱色の髪に毒々しい赤。私を射抜く金色の瞳を見つめ、それを綺麗だと思う自分は、もう壊れてしまったのだろう。私は彼と繋がったまま、意識を手放した。
目が覚めた時には、手のひらには包帯が巻かれていた。
傷の手当てをされたことに感謝の気持ちなど湧くわけがなく、死ねなかったことが悔しくて、辛くて、痛かった。
そんなどうでも良いことを考えていないと、私は今すぐ発狂しそうになる。なぜなら、私は今、バルドゥールに抱かれているから。傷の手当てすらされずに。
手と頬と、それから体の中心に痛みを受け、涙が滲む。
無防備に広げられた掌に、一直線に引かれた赤い線。その線から彼が突き上げるたびに、鮮血が滲みだしてくる。
ああ、いっそこのまま、全部流れてしまえばいいのに……。
「この程度の傷では死なない」
私の思考を読んだかのように荒々しく腰を掴みながら、バルドゥールは残酷な言葉を吐く。
「お前は、俺を受け入れることだけを考えろ。他のことなど余計なことだ」
それは命令でしかなかった。私の返事など待つつもりもなく、彼は更に激しく腰を打ち付ける。今日もまた服を着たままで。
心臓が掌に移動したかのように、そこだけがドクンドクンと脈打つ。痛みを感じるのは生きている証。死ねなかった証でもある。
ぼんやりとシーツに付いた自分の血痕を見つめていたら、突然彼の動きが止まった。私の中に欲望を吐き出した訳でもないのに。
ああ、さすがに醜く頬を腫らした女を抱くのは萎えるのか。
自分勝手にも程がある。けれど、苦痛の時間が終わるのが嬉しい。
けれど、違った。バルドゥールは体位を変えただけだった。私を起き上がらせ、正面から抱きかかえる。
再び動き出したバルドゥールの顔が間近に迫る。密着した身体から、服越しに彼の熱が伝わり、私を犯しているこの男が血の通った生き物だということを、認識させられる。
彼の膝の上で突き上げられる感覚は、今まで以上に深く、私の中を侵していく。
自分の中の終点がここなのかと分かるくらい激しく深く突かれて、今までに無い感覚に襲われ、思わず息が漏れる。
それを見つめるバルドゥールは、満足げに目を細めている。
また一つ彼の歪んた欲求を満たしてしまった。そのことが悔しくて、血塗れの手で、彼を押しのけようとすれば、反対に手首を掴まれてしまった。そして掴まれた瞬間、血管が圧迫され傷口からどろりと鮮血が溢れ出す。
「痛……っ!」
掌の傷から滴り落ちた私の血を、バルドゥールは舌を伸ばして舐め上げる。ぬるりとした感触が気持ち悪い。
「甘い」
そう言って微笑む彼の唇には、少しだけ私の血が付いていた。
朱色の髪に毒々しい赤。私を射抜く金色の瞳を見つめ、それを綺麗だと思う自分は、もう壊れてしまったのだろう。私は彼と繋がったまま、意識を手放した。
目が覚めた時には、手のひらには包帯が巻かれていた。
傷の手当てをされたことに感謝の気持ちなど湧くわけがなく、死ねなかったことが悔しくて、辛くて、痛かった。