午前3時の記憶喪失
私がそう言うと、レンはいつも少しだけ沈黙したあと、困ったように笑う


「ごめんね。俺、昼間はちょっと忙しくて。……でも、君の声を聞いているこの時間が、俺にとって一番幸せなんだ」


そんなレンの言葉に甘えて、私は毎晩、夜明け前まで彼と他愛のない話を続けた


レンは私の好きな食べ物も、行きたい場所も、子供の頃の思い出も、何でも知っていた


まるで私の心の中をすべて覗き見しているみたいに。


だけど、私にはレンにどうしても言えない秘密があった


私は3年前の事故が原因で、「毎朝、目が覚めると前日の記憶をすべて忘れてしまう」


という重い記憶障害を抱えているのだ


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