午前3時の記憶喪失
私の部屋の机の上には、毎朝自分に向けたノートが置いてある


『あなたにはレンという恋人がいます。毎晩電話が来るので、楽しく話してください』


私は毎朝、そのノートを読んで


「あぁ、私にはレンという大好きな恋人がいるんだ」と理解し、夜の電話を心待ちにする


レンに迷惑をかけたくなくて、自分が記憶喪失だということは必死に隠し続けていた


付き合って1年の記念日の夜いつも通り深夜2時に電話で話しているとき、


私は寂しさに耐えかねて、ついに涙を流してしまった


「レン……ごめんなさい。私、本当は毎朝、あなたのことを忘れちゃうの。朝起きたら、ノートを見るまであなたの名前すら思い出せない。こんな私が、あなたの恋人でごめんね……」

電話の向こうで、レンは息を呑んだ


< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop