隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
「よかった」

 羽琉矢は結愛の言葉に胸をなでおろした。

 ほんのり笑みを浮かべる結愛の頬を撫で、髪を梳いた。シャンプーの香りがする。羽琉矢と同じものだ。男物しかないから、女性物のような馨しい匂いはしない。

 結愛はどんなものを使っているんだろうか? 石鹸は? 彼女の好みは何なんだろう?
 急にたわいもないことが気になった。

 結愛は言ってしまってから、急に恥ずかしくなった。

 初めはあんなに嫌がったのに、いざ行為を受け入れてみると感じてしまっていた。気持ちがよくて変なことを口走ったような気もする。
 その時の情景が頭の中をよぎり、かぁーと顔が火照った。羽琉矢をまともに見ていられなくて顔を伏せる。

「どうしたの?」

 羽琉矢は急に顔を逸らしてしまった結愛に声をかける。

「いえ、何でもないです」

 結愛は俯いたまま返事をした。思い出すと今更ながら恥ずかしい。
 はあ、自分の気持ちを持て余すように溜息をついた。その直後、顎に手が伸びて、くいと正面を向かされた。

「僕を見て」 

 羽琉矢の請うように強請る甘い声。求めるように自分を見つめる甘い瞳。

 とくん、心臓の鼓動が大きく高鳴った。

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