隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
 出会ってたった数時間、急に何かが変わるはずもないのに。

 身体を重ねたというだけで、印象まで変わってしまうものだろうか? それとも、まだ知らない彼の性格が現れただけ? 
 新たな羽琉矢を発見した驚きに目が釘づけになった。 

「結愛、ダメだよ。そんな欲しそうな顔をしたら」

 えっ! 欲しそうって、何を? 咄嗟に意味が分からなくて羽琉矢の顔を見入ってしまった。

 羽琉矢は困ったような笑みをこぼした。

 とろんとした熱のこもった瞳で熱心に見つめられると、消えてしまったはずの情欲が揺らめき始める。

 意味ありげに含み笑いをされて、その意味に気づいたときには唇を奪われていた。
 欲しそうな顔ってどんな顔をしていたの? そんなつもりはなかったのに、どこでスイッチが入ってしまったのだろう?

 結愛が軽く息を飲むのが分かった。

 でもそれは一瞬ですぐに自分へと唇を委ねてくれた。
 片膝を乗り上げて椅子の背に結愛を押し付ける。ぎしっ、体重をかけたせいで籐製の椅子が軋んだ。

 何度も唇を触れ合わせながら、一番しっくりくる角度を探し出して深く口づけた。

 抱きしめると結愛の手にも力が籠る。
 時々、切なそうにくぐもった息が漏れて、唇を離して視線を絡めて、もう一度口づける。



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