隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
 溺れてしまう。

 新しい生活はこれからなのに、大学生活もこれからなのに、何もかも忘れてしまいそうになるのが怖かった。

「お願い……です。あっ……ん、わたし……を、帰……して」

 首筋に薄紅色の花を咲かせて、身体はすぐにでも陥落しそうなのに、気持ちはついていかないのか、喘ぎながらも拒否される。

 結愛の感じるところを探って責めて、他のことなんて考えさせなければ、心が従うのは時間の問題だろう。とは思ったが、今まで何度も足止めさせてしまっている。

 結愛がほしい。
 一度火がついてしまった身体を鎮めるのは難しい。だからといって、欲望を吐き出すためだけに、性急に抱きたくはなかった。ここは我慢するしかない。

「わかった。これ以上は何もしないよ。そのかわり、明日も会いに来てくれる?」

 それならば、今日は解放してあげる。言外に告げるように囁いた。



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