隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
 それはよかったが、明日も? 結愛はその言葉が引っかかった。

「ごめんなさい、明日はちょっと……」

 身体は離れたが椅子の背に手をつかれ、至近距離で見つめられたまま、結愛は申し訳なさそうに謝った。

 快い返事が返ってくると思っていた羽琉矢は、信じられない顔をして目を瞠る。

「何かあるの?」

「実は課題のレポートがまだで、それを完成させないといけなくて。それに買い物もあるので。ごめんなさい」

 買い物をして、レポートを書いて、今頃は夕食の準備をしている頃かもしれない。
 
 買い物、課題レポート。
 こんな時間まで足止めしてしまったのは自分。用事が残っているのなら、仕方ないかと一旦諦めた。

「それじゃあ、明後日は?」

「友達と約束があって」

 春休み中、何度か友達と遊ぶことになっていた。近いうちに満開になるであろう桜のお花見もしたかった。

「そうか。それじゃ、その次は?」

 しつこいくらいに聞かれる。次の約束を取り付けないと帰してくれる気はないらしい。

 会いたいと思う気持ちは同じだったが、新学期前の春休みは忙しい。
 ここ、二、三日は友達と出かける用事で立て込んでいた。

「ごめんなさい。この日も用事があって」

 友達からショッピングにつき合ってって言われている。何度も断るのは気が引けて、先に謝りを入れてしまった。


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