隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
「そんなに時間はかからないよ。それに夕食がすんだら家まで送っていくから」

 送っていくから……その言葉にぐらりと揺れる。

「でも……」

 今度会うのは一週間後、自分で決めた事とはいえ長すぎて、もう少し一緒にいたいという想いが心の中をよぎる。だからと言って素直に頷けない。

「一人で食べるのって、寂しいし……虚しいんだよね。そう思わない?」

 難色を示す結愛に、羽琉矢は哀愁を帯びた声でたたみかけるように続けた。

「……」

 これにはさすがに反論出来なかった。その通りだと思ったからだ。

 1人暮らしの初日の夕食を思い出していた。
 誰もいない部屋の中でポツンと一人取り残されたようで、寂しくなってしまって食もあまり進まなかった。
 実家では一人きりでご飯を食べたことがなかったから、なおさら身に染みてしまって、これからは一人の食事に慣れていかなければと、しんみりと思ってしまった事が頭をよぎった。

 羽琉矢はいつもそんな思いをしているのだろう。結愛も実感しているだけに彼に同情してしまう。それに家に帰れば自分も一人だ。

 寂しさも手伝って、食事ぐらいならと、

「そうですね、いいですよ。わたしでよければ」

 結局、結愛はOKしてしまった。

「よかった。じゃ、行こうか」

 羽琉矢は晴れやかな顔で結愛の手を取ると、屋敷の方へと向かった。

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