隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
 思っていたよりも華奢な体は、羽琉矢の腕の中にすっぽりとおさまっている。

 ああ、この娘は。

 想像していたよりもずっと抱き心地がいい。純そうな娘だからゆっくりと近づくつもりでいたのに、思わぬハプニングに感謝だ。

「わたし、警察ですか?」

 背中を向けたまま結愛は震える声で聞いた。項垂れたように俯く。
 この人は捕まえたって言った。許してくれる気はないらしい。
 不法侵入。
 こんな大きなお屋敷に見ず知らずの人間がいれば誰だって、警戒する。どんな理由にしろ捕まっても文句は言えない。

「そうだね」

 結愛の背中が固まった。

 ああ、覚悟を決めるしかない。

 結愛は目を閉じた。

 ごめんなさい、お父さん、お母さん。迷惑かけてしまってごめんなさい。せっかく一人暮らしさせてもらったのに、ごめんなさい。ありったけの気持ちを込めて心の中で謝った。

 警察に引き渡された後は両親に連絡されるだろう。こんな大きなお屋敷に侵入してしまったのだから、軽くなんて済まないかもしれない。そうなるともう二度と一人暮らしなんてさせてもらえない。大学にだって行けないかもしれない。

 それは仕方がないが、両親に心配をかけることの方がつらかった。本当にごめんなさい。

 反応が素直。

 今、悲愴な顔をしてるんだろうな。彼女には悪いけど、もう少し利用させてもらうよ。

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