隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
『一人暮らしもいい経験になるわよ。一人っ子だし、結愛を甘やかして育てちゃったかもしれないから、いろいろと勉強をしてくるといいわ。ただし、学生らしく節度は守ってね。あなたは女の子なんだから、ちゃんと自覚を持たないとだめよ。それから、卒業したら家に帰ってくること。それを守るのであれば許可するわ』

 父親の反対も虚しく、母親の一言で親離れが決まったのだった。

 これからの四年間は、一生のうちで忘れられない思い出になるかもしれない。友達も作って、勉強も一生懸命頑張って、有意義な大学生活を送る。これが目標だった。

 知る者のいない初めての一人暮らし。不安はいっぱいだったが、自分で決めたこと。後悔だけはしないように。そう思って三年間頑張ってきた。その大学生活もあと一年で終わる。

「友達誘ってお花見に行こう。今年で最後だし、いい思い出になるといいな」

 来年の今頃は別々の道を歩いているのかと思うと寂しい思いになるけれど、それが人生。

 自らを奮い立たせるように、もう一度桜を仰ぎ見た。
 桜の花びらが春の風に靡いて、その様子が自分を応援してくれているような感じがして、自然と笑みがこぼれた。

 遊歩道から外れた道に入ると、目的のスーパーまであと少しだった。
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