隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
「結愛。お願いの前に聞きたいことがあるんだけど」

「?」

「結愛はどこから入ってきたの?」

 どこから? 

 決死の覚悟をしていたところに、思いもかけないことを聞かれて、気が抜けてしまった。
 おかしなことをいう。どこからって決まっているのに。

「門からです、けど」

「門は閉まっていたよね?」

「いいえ、半分くらい開いていました」

 開いているなんておかしい。門はいつも閉ざしているし電動式で人力では開かない。泰雅が帰った後確認している。正常だった。

「そう、じゃあ閉め忘れたのかな? 開いていたからといって他人の家に無断で入ったりしないよね。何をしにきたの?」

 そもそもの結愛が現れた理由。何の目的もなしに来たわけではないだろう。

 人と一線を画す羽琉矢にとっては、招かざる客というのは迷惑でしかない。

 高い塀に囲まれ厚い門を閉ざしている。訪れるのは通いの家政婦だけだ。裏に通用門があるからそこから出入りしている。

 

 決して悪いことをしに来たわけではない。信じてくれるだろうか。

 一瞬ためらったが、いわなければ疑われるだけだろう。正直に話した。


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