隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
口の中に馥郁たる桃の香りが広がった。
硬めの果肉を咀嚼すると、蜜のような甘美な果汁があふれだしてくる。甘みを凝縮した濃厚な味がした。
「どう?」
「とても美味しいです。一人で食べるのがもったいないくらい。羽琉矢さんも食べませんか?」
あまりの美味しさに感動した結愛は羽琉矢の口元へと桃を差し出した。
一段と明るさを増した瞳の輝きと屈託のない声が、羽琉矢の胸に響く。
幼い子供のように欲のない純粋な心が眩しい。どうしてこんなにも惹きつけられるのか。
ここは祖父母が晩年を過ごした屋敷で、祖父が亡くなったあと祖母は本邸に移り住んでいる。
空き家となってしまった屋敷に住むようになったのは、大学に入ってから。
老朽化が進んでいた家を建て直し、ついでに庭も造り替えた。
時々開くはずのない扉を開けて泰雅が来るが、それ以外はほとんど訪れる者もいない。
他人との接触をあまり好まない羽琉矢にとっては、快適な住処だった。
そこへ突然現れたのが結愛だった。
初めは狩りでも楽しむような気分で、捕まえるだけでよかったからすぐに離すつもりでいた。
それ以上は何もないはずだったのに……
硬めの果肉を咀嚼すると、蜜のような甘美な果汁があふれだしてくる。甘みを凝縮した濃厚な味がした。
「どう?」
「とても美味しいです。一人で食べるのがもったいないくらい。羽琉矢さんも食べませんか?」
あまりの美味しさに感動した結愛は羽琉矢の口元へと桃を差し出した。
一段と明るさを増した瞳の輝きと屈託のない声が、羽琉矢の胸に響く。
幼い子供のように欲のない純粋な心が眩しい。どうしてこんなにも惹きつけられるのか。
ここは祖父母が晩年を過ごした屋敷で、祖父が亡くなったあと祖母は本邸に移り住んでいる。
空き家となってしまった屋敷に住むようになったのは、大学に入ってから。
老朽化が進んでいた家を建て直し、ついでに庭も造り替えた。
時々開くはずのない扉を開けて泰雅が来るが、それ以外はほとんど訪れる者もいない。
他人との接触をあまり好まない羽琉矢にとっては、快適な住処だった。
そこへ突然現れたのが結愛だった。
初めは狩りでも楽しむような気分で、捕まえるだけでよかったからすぐに離すつもりでいた。
それ以上は何もないはずだったのに……