隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
「それじゃ、聞くけど、どんな言葉で断っていたの?」

「ごめんなさい。おつき合いはできませんって」

「それだけ?」

 結愛は頷いた。妙に冷静な羽琉矢が怖い。

 どうして? そんなことを聞くの? 

 疑問に思っても、とても口には出せなかった。

「そっか。じゃあ、僕だけなんだね。結愛が冷たいのは」

「!」

「だって、そうでしょう? 僕のことが嫌いなんだよね? 断る理由にしてもそれはないよ。思いやりのかけらもない。冷たいよね」

 糾弾するような鋭利な声が棘のように心に突き刺さった。
 そんなつもりじゃなかったのに。嫌いだなんて言いたくはなかったのに。

 一度飛び出してしまった言葉は元には戻せない。わたしは羽琉矢さんを傷つけてしまったの?
 心臓が早鐘のように打って息がまともにできない。身体が震えて、羽琉矢をまともに見ることが出来なかった。


 身の置き所がないように小さくなって、蒼ざめて、かわいそうなくらい震えて……

 ばかだね、結愛。

 本当につき合う気がないのなら僕の言葉に惑わされずに、さっきみたいに毅然とした態度で、徹底的に振らなきゃ。

 だからこうやってつけ込まれるんだよ? 

 どうしても本心が知りたい。

 どうしても手に入れたい。

 結愛の越えられない一線を僕が取り払ってあげる。その暁には本当の気持ちを全部さらけ出して……僕に見せて。

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