隠れドS系御曹司は一目惚れで結ばれた彼女を溺愛して逃さない
感嘆の声に、苦笑いを浮かべて結愛が口を開いた。

「よく羨ましがられちゃうんですけど。でも中々大変なんですよ? 今日みたいに晴れている日はいいんですけど、雨の日とか、湿気の多い日とかはかなり悲惨なんです。髪が今より巻きがひどくなるし、あっちこっち飛んじゃったりとかして、纏めるにも一苦労するんです」

「そうなんだ。見た目より大変なんだね。でも、見てみたいな。クルクルしている髪とか、飛んでしまった髪を直している姿とか」

「……」

 意味深な台詞で、瞳で、挑発して、羽琉矢は悪戯っぽく笑った。
 絶句して口を聞けない結愛がかわいい。

 今、何を想像したんだろう?

 つき合ったことがないと言っていたから、睦言なんて聞いたことはないのだろうし、男に慣れていない初心さが好ましい反面、無垢な純情さを早く手折ってしまいたいと思ってしまう。

 男を知ったら……どんなふうに変わっていくんだろう。
 手に取っていた一房の髪に顔を近づけると、そっとキスをした。

 えええっ!

 キスの経験のない彼女には、それだけで充分に刺激的だった。
 目を閉じて髪に触れた羽琉矢が艶めいてひどく色っぽい。
 忠誠でも誓われるような恭しい口づけは、自分の肌にされたような錯覚を起こさせて、結愛はクラクラと眩暈を覚えた。

 自分に翻弄される結愛の様子を愉しんで髪を離すと、

「結愛、気づいてる?」

 ころっと表情を変えて、おどけたように声をかけた。

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