エリート社長の密かな純愛〜身籠り初夜から始まる極上な甘い罠〜
ぽかんとする私をよそに、彗さんは私の隣に腰掛け、お箸を無理やり握らせてくる。
「つわりで食欲がないのは聞いてる。これなら口に合うだろ。……ほら、一口だけでも食え。俺が食べさせてやろうか?」
「い、いえ! 自分で食べられますっ!」
慌てておかゆを口に運ぶと、じんわりとしたお米の甘さが広がって、強張っていた身体がほどけていく。
─────本当に、美味しい。
「お前の体は、もうお前一人のものじゃない。少しでも体調が悪かったり、食いたくないものがあるならすぐに俺に言え。いいか、お前はここで、何もしなくていい。明日から会社も休職の手続きをとってあるから、大人しく俺に全部甘やかされてればいいんだ」
不器用で、ちょっと命令口調で、相変わらずドSな物言いだけど。
私を見つめる彗さんの瞳は、会社での冷徹さとは違って、ひどく熱くて、戸惑うほどに優しい。
(どうしよう……。義務だって分かってるのに、心臓がずっとドキドキして、お腹の奥がじんわり温かい……)
自分が、冷徹社長の仕掛けた「隠された甘い罠」の中にすっぽりはまっていることなど、この時の私はまだ、知る由もなかった────。