エリート社長の密かな純愛〜身籠り初夜から始まる極上な甘い罠〜
「本当に、お前は……」
彼の低い声が、切なげに揺れる。
見つめる瞳の奥には、熱い独占欲と一緒に、零れ落ちそうなほどの愛おしさが満ちていた。
───あまりにも甘く、深いその眼差しに、思わず胸が苦しくなる。
(どうして、そんな優しい目で私を見るの……?)
これはきっと、彼の気まぐれだ。
私を家にいれているのも、今こうして私に構うのも全部お腹の中の赤ちゃんのため───
私を妊娠させてしまった責任から、こんな地味で取り柄もない平凡な女にも優しくしてくれているんだ。
……そう自分に言い聞かせないと、勘違いしてしまいそうになる。
『好きだ』とか『愛してる』なんて、そんな言葉を彼の口から聞いたわけではないのに。
───大それた奇跡を、信じてしまいそうになるから。
「社長……っ」
「名前で呼べと言ったはずだ」
私の拒絶を優しく遮るように、整った顔がじわじわと近づいてくる。
───彼の長い睫毛がはっきりと見えるほどの至近距離。
視線が私の唇へと落とされ、触れ合う寸前で、彼の吐息が私の唇をひたした。
───その瞬間、残っていた理性がプツンと音を立てて切れた。
(───勘違いでもいい。
今だけは、この甘い夢に溺れさせて───。)
すべてを見透かすような彼の瞳から逃げるように、私はそっと目を閉じた。