エリート社長の密かな純愛〜身籠り初夜から始まる極上な甘い罠〜
「なんでも、ありません……っ。ちょっと、眠くなっちゃって」
私は慌てて視線を逸らし、無理やり作った笑顔で誤魔化した。
本当は「明日は誰と会うんですか」「レイカさんって誰ですか」と問い詰めたかった。
けれど、私たちはただの『一応の同棲』にすぎない。
───彼のプライベートを縛る権利なんて、私にはどこにもないのだ。
「……そうか」
彼は私の下手な嘘に気づいているはずなのに、それ以上は何も聞いてこなかった。
ただ、探るような冷ややかな視線がしばらく私の肌を刺していた。
さっきまでの、あのキス寸前の甘い空気はどこにもない。
リビングには、ただ重苦しく、ひんやりとした沈黙だけが流れていた。
───結局、その夜はそれ以上言葉を交わすこともなく、私たちはベッドの中で背を向け合いながらその日を終えた。
同じ屋根の下にいるのに、彼の心がひどく遠くにあるように感じられて。
───私は毛布を頭から被り、胸の奥に広がる正体不明の痛みに、一晩中じっと耐え続けるしかなかった。

