エリート社長の密かな純愛 〜身籠り初夜から始まる極上な甘い罠〜
「なんでって……大切なものをとっておくのは、当たり前のことだろう?」
低く、少しだけ甘さを孕んだ彼の声が、静寂に溶けていく。
「たい、せつ……?」
掠れた声が、やっとの思いで口から漏れた。
脳裏をよぎる記憶と、目の前の彼が重なりそうになって、胸が苦しくなる。
「……まだ、わからないのか?」
覗き込んでくる慧さんの漆黒の瞳に、激しく動揺する私が映っている。
「え……」
「俺が、『けーくん』だ。───『ひな』」
記憶の奥底にある大好きな声が、今の彼の声と、完全に重なって。
───その名前が呼ばれた瞬間、世界が止まった気がした。
「……引越してからも、ずっとずっと、お前を探してた」
頭の芯が、じんと熱くなる。
(ウソ……)
呆然と立ち尽くす私の頬に、慧さんの大きな手がそっと触れる。
いつもの”完全無欠なエリート社長”の顔ではなく、どこか泣き出しそうな、熱のこもった目。
「だから、会社でお前を見つけた時……本当に、運命だと思った」
低く、熱を帯びた声が鼓膜を揺らす。
「───っ」
次の瞬間、強い力で引き寄せられ、視界が慧さんの胸元で真っ暗になった。
壊れ物を扱うように優しいのに、どこか必死で、逃がしてくれないような強い抱擁。
背中に回された彼の手から、トクトクと速い心音がダイレクトに伝わってくる。