これは、診察だ。
Episode8★これは、診察だ。
夜更け。
当直室の静かな空間で、葵はゆっくりと瞼を開けた。
天井の薄暗い明かりの向こうに、ソファに座り込んで頭を抱えていた蓮の姿が見える。
「……せんせい?」
掠れた声にハッと顔を上げた蓮が、すぐにベッドサイドに駆け寄ってきた。
「気がついたか。……どこが痛い? 息苦しさはないか?」
心配そうに自分を見つめる蓮の瞳に、葵は胸が締め付けられる思いだった。
「ごめんなさい、先生……。私、どうしてもっと強くならないといけないのに、すぐ倒れて……。あ、まだ、頭痛が……」
涙ぐむ葵の言葉を遮るように、蓮はスッと顔を近づけた。
「もう、泣くな」
そして、逃げ場を失った葵の唇に、蓮はそっと自分の唇を重ねた。
触れるだけの優しいキス。驚きで目を見開く葵の耳元に、蓮は低い、甘い声で囁く。
「……これは、診察だ! これで、頭痛はちょっとでも治まるだろ?」
「頭痛……? せ、せんせい……これのどこが診察ですか……っ! 頭痛はキスで治るんですか⁉」
真っ赤になって抗議する葵に、蓮はふっと艶やかな笑みを浮かべ、葵のあごを優しく指でくいっと持ち上げた。
「患者の心拍数が異常に跳ね上がっているだろ? だから、俺が直接処置して安定させてるんだよ!」
そして、蓮は真剣な眼差しで、まっすぐに葵を見つめた。
「さっき、意識が朦朧としてる時に言ったよな。『何でも言うことを聞くから、傍にいて』って」
「え……私、そんなこと……!」
「言った。……だから、俺が本当のお前の彼氏になってやるよ。か、仮じゃないからな!!!」
本当の恋人。
夜の静かな当直室で、甘く熱い恋の物語が、いよいよ本格的に動き出す――!
当直室の静かな空間で、葵はゆっくりと瞼を開けた。
天井の薄暗い明かりの向こうに、ソファに座り込んで頭を抱えていた蓮の姿が見える。
「……せんせい?」
掠れた声にハッと顔を上げた蓮が、すぐにベッドサイドに駆け寄ってきた。
「気がついたか。……どこが痛い? 息苦しさはないか?」
心配そうに自分を見つめる蓮の瞳に、葵は胸が締め付けられる思いだった。
「ごめんなさい、先生……。私、どうしてもっと強くならないといけないのに、すぐ倒れて……。あ、まだ、頭痛が……」
涙ぐむ葵の言葉を遮るように、蓮はスッと顔を近づけた。
「もう、泣くな」
そして、逃げ場を失った葵の唇に、蓮はそっと自分の唇を重ねた。
触れるだけの優しいキス。驚きで目を見開く葵の耳元に、蓮は低い、甘い声で囁く。
「……これは、診察だ! これで、頭痛はちょっとでも治まるだろ?」
「頭痛……? せ、せんせい……これのどこが診察ですか……っ! 頭痛はキスで治るんですか⁉」
真っ赤になって抗議する葵に、蓮はふっと艶やかな笑みを浮かべ、葵のあごを優しく指でくいっと持ち上げた。
「患者の心拍数が異常に跳ね上がっているだろ? だから、俺が直接処置して安定させてるんだよ!」
そして、蓮は真剣な眼差しで、まっすぐに葵を見つめた。
「さっき、意識が朦朧としてる時に言ったよな。『何でも言うことを聞くから、傍にいて』って」
「え……私、そんなこと……!」
「言った。……だから、俺が本当のお前の彼氏になってやるよ。か、仮じゃないからな!!!」
本当の恋人。
夜の静かな当直室で、甘く熱い恋の物語が、いよいよ本格的に動き出す――!