親愛なる魔王の君へ〜The Ordeal〜
初めまして
ルーチェ・クロウディアには前世の記憶がある。魔法やモンスターなど創作の中でしか登場しない世界に生まれ、事故に遭い、気が付けば前世の記憶を持ったままルーチェとして生きていた。

最初は戸惑ったルーチェだったが、父親であるルカや母親であるエレノア(エレナ)、そして兄であるヴィオレット(ビオラ)の優しさに触れ、十歳になった今はすっかりルーチェとして生きることに慣れている。魔法も多くの種類を使えるようになり、呪具との契約も交わした。

「クロウディア家は呪い耐性が強い子は捨てるって風習があったが、もう廃止した。だから安心して学びなさい」

ルカがそう言い、力強く笑ってくれたため、ルーチェは安心して呪いや魔法と向き合っている。いつもルーチェの顔には笑みがあった。

(いい世界に生まれ変わることができたんだな……)

そんなある日のこと。ルーチェが庭で呪具の使用を練習していた時だった。ビオラが庭に姿を見せ、ルーチェに話しかける。

「ルーチェ、散歩に行こうよ。息抜き大事だよ!」
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