親愛なる魔王の君へ〜The Ordeal〜
ビオラとエレナが手を振る。ルーチェは無言で手を振り返し、クラルとアナスタシアと共に迷路の中へと足を踏み入れた。三人が迷路の中に完全に入ったところで、背後からガサガサと音がする。ルーチェが振り返ると、先ほど入ってきた入口が塞がっていた。

(もう逃げられないってことか……)

この迷路はどこまで続くのか。ルーチェの心の片隅に不安が生まれてしまう。そんなルーチェの前にクラルが立った。その手には剣が握られている。

「ルーチェ様。僕が先に行きますので、ついてきてください」

「うん」

「私を忘れられると困るのですが」

アナスタシアがため息を吐き、歩き出す。すると、空中から巨大な影が落ちてくる。クラルとアナスタシアが足を止めた。影は巨大な蛇型のモンスターに変化する。

「ルーチェ様!お下がりください!」

クラルが剣を構える。刹那、蛇型のモンスターの体を巨大な槍が貫いた。モンスターは地面に呆気なく倒れる。
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