親愛なる魔王の君へ〜The Ordeal〜
生け垣が消え、いつも通りの見慣れた庭に戻った。睨み合うアナスタシアとルーチェたちを見て、ルカたちは何が起きたのか察した。そして、共闘することになったのだ。

最終的にアナスタシアを全員で協力して捕らえたものの、試練そのものは失格となってしまった。そのことを、ルーチェはずっと考えていたのだ。

(これで、クラルが家から追い出されることになったら……)

恐怖と不安が込み上げてくる。刹那、部屋のドアがノックされた。

「……何?」

「ルーチェ様、ルカ様がお呼びです」

ドアを開けたのはクラルだった。クラルはあの日から、何事もなかったかのように生活している。ルカやエレナ、ビオラも試練のことや大魔王のことは話題に出すことはなかった。

「クラル……」

ルーチェはベッドから動けずにいた。ルカから言われる言葉を想像すると、怖くなってしまう。俯きがちになったままのルーチェを見て、クラルがゆっくりと近付いてきた。そして、ルーチェの手に自身の手を重ねる。
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