グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公

神殿の火災


翌日の昼過ぎ、クレルが、サンサザール神官の執務室で遺品を整理していた時だった。


何かの焦げ臭い・・鼻をつく異臭が廊下から、扉の隙間から漏れ出て広がってきている。

パチ、パチ、パチッ

木のはぜる音も聞こえる。

クレルは口と鼻を押さえて、すぐに廊下に飛び出た。

廊下の先・・・突き当りの窓付近で黒い煙と白い煙が渦を巻き、炎の先端もチラチラ見えた。

「火事だぁ・・・!!」

多くの場所で、叫ぶ声が上がっている。

初級神官たちが廊下に飛び出し、反対の出口に走って行くのが見えた。

「クレル!!部屋に戻って!!」

真っ青な顔で副校長が走り込んで、立ちすくんでいるクレルの肩を押した。

「ドアに鍵を閉めて!!」

「でもっ、先生!逃げないと!!!」

クレルが叫ぶと、副校長はクレルの髪を覆っているベールを引っ張って外した。

「そうです!だから、お逃げなさい!ここから、すぐ!!」

戸惑うクレルをせかすように、副校長は聖典をテーブルクロスでくるみ、クレルの胸に押し付けた。

「早く!こっちに来て!!」

副校長に手首をつかまれて、執務室の隣り、控室に引っ張られた。

そこは神官の着替えをする場所であり、式典用衣装が収納されている大きなクローゼットがある。

< 10 / 123 >

この作品をシェア

pagetop