グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
神殿の火災
翌日の昼過ぎ、クレルが、サンサザール神官の執務室で遺品を整理していた時だった。
何かの焦げ臭い・・鼻をつく異臭が廊下から、扉の隙間から漏れ出て広がってきている。
パチ、パチ、パチッ
木のはぜる音も聞こえる。
クレルは口と鼻を押さえて、すぐに廊下に飛び出た。
廊下の先・・・突き当りの窓付近で黒い煙と白い煙が渦を巻き、炎の先端もチラチラ見えた。
「火事だぁ・・・!!」
多くの場所で、叫ぶ声が上がっている。
初級神官たちが廊下に飛び出し、反対の出口に走って行くのが見えた。
「クレル!!部屋に戻って!!」
真っ青な顔で副校長が走り込んで、立ちすくんでいるクレルの肩を押した。
「ドアに鍵を閉めて!!」
「でもっ、先生!逃げないと!!!」
クレルが叫ぶと、副校長はクレルの髪を覆っているベールを引っ張って外した。
「そうです!だから、お逃げなさい!ここから、すぐ!!」
戸惑うクレルをせかすように、副校長は聖典をテーブルクロスでくるみ、クレルの胸に押し付けた。
「早く!こっちに来て!!」
副校長に手首をつかまれて、執務室の隣り、控室に引っ張られた。
そこは神官の着替えをする場所であり、式典用衣装が収納されている大きなクローゼットがある。