グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
男は布で口を押えながらも、だるそうに犬、そして穴の方を見たが・・・

ウウウ、ググググ・・・ゲェ・・

男はまたもや、吐き気が襲ってきたのか、苦しそうに身をよじり、木の幹の根元に体を横たえてしまった。

ええ、あの人、大丈夫かな?でも、どうしよう。

ついにオオカミ犬の顔、いや鼻先が、ぐいっとクレルの目の前に突き出された。

ベロリン・・・

犬が大きな舌で、クレルの顔をなめ上げた。

「ウギャッ・・・!」

犬の好意はわかるが、今は困る!

しかも大きな尻尾をブンブン振って、頭をグリグリとこすりつけてきた。

犬はクレルの上着の裾に噛みついて、穴から引き出すようにグイグイ引っ張りはじめた。

その力は想像以上に強い。

クレルは、犬に引っ張られるようにして、聖典を抱えて穴から這い出した。

犬は「こっちに来てよ」と言うように、振り返り、振り返り見て、主人の元に飛び跳ねて、そのまま主人の側で地面に伏して、クレルが来るのをじっと見ていた。


主人とは木の根元で、青白い顔で、横たわっている漆黒の髪の男。

クレルは聖典を抱えたまま、そろりと近づいて、しゃがむと声をかけた。
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