グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
湧き水はとても冷たかったので、クレルが手ですくい飲むと、犬ものどが渇いていたのか、びちゃびちゃと水を跳ね飛ばして飲み始めた。

水筒は空だったので、岩場から染み出ている湧き水をためた。

犬は水を飲み終わると、全速力で男の元まで戻っていったので、クレルも急いでついて行った。

「吐いたから、口をゆすいだほうがいいです」

クレルはそう言って、男のそばに水筒を置いた。

男は何とか半身を起こして、数口飲んで大きく息を吐いた。

「あと、頭が痛むのなら、冷やしたほうが楽になりますから」

クレルは地面に置いてある布を取り、水場に戻ろうとすると、犬も尻尾を振ってついて来た。

「あなたは、グリフォンという名前なの?」

クレルが犬の頭をなでると、グリフォンは「そうだよ」と言うように、ペロリと手をなめた。

濡らした布を手に持って戻った時も、男は横たわり、目を閉じたままだった。

グリフォンは主人の元に寄り添うように、伏せの姿勢をとった。

そこで、初めて男は目を開け、クレルを見た。

一度見たら、忘れられないほどの濃い色のエメラルドグリーンの瞳。

神殿の錫杖についている宝石よりも、美しい。

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