グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
神殿と教会との関係
古くから神殿は、土着の神々を祭っているので、地元の人にとっては、先祖伝来のなじみの場所だ。
農作物や織物などを供物として捧げ、冠婚葬祭を司りや豊作を祈る。
しかし、新国王は、教会を庇護する政策をとった。
新しく迎えた異国の花嫁が、熱心な教会信者だったからだ。
新国王は、教会の信者を増やすために減税や、特別給付金などさまざまな恩典を出した。
多くの民衆は・・・その恩恵を受けるために改宗したため、一気に、教会の勢力図が広がった。
教会の信者が増えれば、新国王の支持者が増える。
教会と、国王の思惑が一致したのだ。
神殿は人々の祈りの場ではなくなり、存在の意味が失われたつつあった。
古(いにしえ)の神々への畏敬の念は薄れ、祭事道具が盗まれ、放火事件が起きた。
神殿と民衆たちの、幸福な時代は終わりをつげたのだ。
クレルに残された聖典と神殿の未来・・・今はそれすら失ってしまった。
男がくれたマントの止め金具を握りしめ、街の方を見た。
新しい教会の尖塔が、高くそびえている。
クレルは、草の上に仰向けに寝っ転がった。
髪も顔も、服も破けて、泥だらけで汚れているが、そんなことは、どうでもいい事に思えた。
とにかく疲れ果てて、目を閉じた。
西日の強い残光が、今はまぶしすぎる。