グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
そう質問しながら、小さな花壇のそばのベンチに座り、クレルにも座るよう手で促した。

「クレルと言います」

「なぜ、ここへ?」

「父親から殴られそうになって、逃げてきました」

嘘がスラスラでる。

母と一緒にスープを配っていた時にも、親から殴られて青あざをつくっている子どもや、夫の暴力で傷ついた女をたくさん見てきたからだ。

「そうですか・・・」

修道女は、ため息をついた。

良い匂いのスープに誘惑には、もう勝てない。

「いただきます」

クレルは熱いスープを一口飲み、パンをかじると、その温かさで、なぜか涙が出てくる。

お腹が満たされると、涙が出るものなのか・・・

グスグス泣いているクレルを見て、修道女は何を言うべきか、迷っているように見えた。

「院長先生がいいと言うなら・・・食べる物、着る物、眠る場所を何とかしましょう」

年配の修道女は、若い娘が何の後ろ盾もなく、街をさまようとどうなるのか、よく理解しているようだった。

「あなたはお祈りができますか?」

「はい、教えていただければ・・・」

空腹が満たされて、初めて人は生きる希望を見出す・・・母が笑顔でよく言っていた。

「だから、スープを配るのよ。
きっと明日はいい日だって信じて、温かくして眠れるようにね」

スープとパンを配り終わった後、母は神殿に向けて感謝の祈りをささげた。

サンサザール神官が、神殿の供物をたくさん提供してくれたていたからだ。

父もよく言っていた。

その人のやり方で、いつでも、どこでも、神に感謝の祈りをささげればよい。

クレルは、目をぬぐって言った。

死と空腹の前には、すべての者が屈する。
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