グリフォンの恋人・神官と王族とワンコの三角関係?・クレルとリーフェスト公
ダリアは、薄いわら布団をポンポンと手ではたくと、

「親父ね・・どうせ母親の連れ込んだ男だろう。手籠めにされそうになったのか?」


「いえ・・」

ダリアはもっと探りを入れるように、しかも上から目線で

「その様子じゃぁ、あんた、まだ、男を知らないだろう?

あたしはね、可愛がってくれる男がいて、もうすぐこの街に来るんだ!
そしたら、こんな場所からすぐに出て行くから!」

ダリアはしゃがむと、腕を目いっぱい伸ばして、ベッドの下をあさった。

「こんな辛気臭いところ、もううんざりだよ。酒も飲めないし」

文句を言いながら、自分のベッドの下から小さな酒瓶を取り出した。

「新入り、内緒だぞ!」

クレルをにらみつけてから、酒瓶から口のみした。

「酒がねぇと、やってらんねーぜ!まったく!」

ゲフッと息を吐くと、袖口で口をぬぐった。

「さて仕事にかかるか。ジャガイモの皮むきが、嫌ってほどある。ついてきな」

そう言って、自分の汚れたエプロンをクレルに投げつけると、大股で部屋から出て行った。

神殿も教会も<祈りの場>であることは、変わらない。

ダリアは暇さえあれば、さぼる隙をうかがっているように見えた。

教会前の辻馬車のたまり場で、何かの情報を取っているのか、新しい男を探しているのか、ダリアは御者たちと親し気に話をしている。

それだけではない、数時間、姿をくらませることもあった。

クレルは、ダリアの分まで仕事をしなくてはならず、忙しく立ち働いていた。

この教会の物置で、一晩過ごしたあの夜の事を思い出すと、ぜいたくは言えない。

屋根の下にベッドがあり、三度の食事が食べられる事を感謝すべきだと思っていたし、毎日、指示された仕事をこなすだけで、精一杯だった。


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